受験に失敗した後、再び過酷な一年が始まろうとする時、浪人生は何を思っているのでしょうか。
紹介したいのは、受験生として四度目の春を迎えたある予備校生の言葉です。
春が来るたびに友の背中を見送り続けてきた彼。
悔しくないはずがないのに。
辛くないはずがないのに。
「どうしてそこまで頑張れるの?」という私の残酷な問いに、彼はきっぱりと言いました。
今、この夢を諦める以上の痛みはないよ。
彼にとっては、妥協して他のものを手にするのは辛すぎることでした。
だからやめるわけには、逃げるわけにはいかなかったのでしょう。
失敗には必ず原因がある。
その一つひとつを潰す以外に、成功への道はない。
そんな正論をいけしゃあしゃあと唱えた後、彼はこう続けました。
今度こそ、自分自身を乗り越えたいんだ。
楽な作業でないことはわかりきっています。
己の弱さや狡さも、彼自身が情けないほど思い知ってきたはずです。
それでも必ず自分を変えてみせると覚悟したのです。
スタートの原動力となった、切実な二つの思い
- 諦める以上の痛みはない!
- 自分自身を乗り越えたい!
世の中には、変わるものと変わらないもの、変えるべきものと変えてはいけないものがあります。
もちろん人についても同じ。
彼は自分自身の中に、この二つを明確に持っていました。
自分が心底求めるものを絶対に譲ろうとしない、不器用なまでの頑固さ!
しかしこの頑固さを貫くためには、それにふさわしいだけの自分へと成長しなければなりません。
彼はより強くより賢く変わっていくことによってはじめて、諦めという耐え難い痛みから逃れることができたのです。
変わらない夢を守るために、彼自身は時間をかけてでも成長し変わっていくことが必要でした。
さて、一年後・・・
彼はスタートの原動力となったこの二つの覚悟を、決して途中で忘れることなく持ち続け、みごとに最後の浪人生活を満喫し完結させていきました。
あっぱれです!
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